記事一覧

クレジットカード一枚の単価はいくら?

クレジットカードは、国内だけですでに2億4459万枚発行(2002年)されています。これだけ多くのカードが発行されるようになると、カード一枚のコストが問題になってきます。コストが高ければカード会社の収益を圧迫する要因になるからです。それでは、カード発行にいくらかかるのでしょうか。まず、カード一枚の原価はいくらぐらいかというと、発行枚数によって左右されますが、普通の磁気カードにカード情報を人力したものは1枚100円ほどです(なにも情報を入れていないのは70円ほどといわれています)。ICカードになるとさらに高く300~500円はします。今後、ICカードの発行が本格化すれば価格は劇的に下がるでしょうが、それでもICカードはコスト高です。

このため、カード各社が導入を渋るのも合点がいくというものです。とくに信販系、流通系カード会社はICカード導入については消極的です。最近、カード犯罪で狙われるのはゴールドカードが多く、それをたくさん発行している銀行系カード会社にとって、ICカード導入は犯罪防止の切り札と期待しているのですが、信販系、流通系ともゴールドカードの比率が低く、それほど切迫感がないのです。それ以上に、彼らにとっては導入経費のほうが気にかかります。なぜ、自分たちまで必要性の低いICカードを導入しなければならないのかわからないのです。こんなわけで、ICカードについては業界でも導入には温度差があるのですが、磁気カードにしろICカードにしろ、このカード原価には盗難保険料がかけられます。

カードを盗まれて不正に使用された場合に補償してくれる保険のことですが、これはカード会社が損害保険会社と契約しているもので、損保会社に1枚ごとに保険料を払っています。これも発行枚数によって左右されますが、1枚当たりだいたい50~70円ほどかかっていると思われます。また、新規会員にカードを送るのには「配達記録郵便」が使われますが、これにも1通290円かかっています。さらに、多色刷りのカード入会申込パンフレット、会員募集のための人件費が1日1万6000円ほどかかります。このほか、キャンペーン費用、テイクアウトスタンド費用、さらに提携カードの場合には、発行するごとに提携協力費として提携先企業に手数料を払わなければなりません。

このように、1枚のカードを発行するためにはたくさんの費用がかかっています。私の試算では、年会費1250円の3分の2以上は経費で消えてしまうことになります。そこでカード各社は、単に発行するだけでなく、そのカードを日常的に使ってもらおうと涙ぐましい努力を続けています。というのも、カードは使われてはじめて生きてくるものだからです。1回の利用ごとに、売上高の3~7%の加盟店手数料がカード会社に入ってきます。ですから、カードを使ってもらえるほどカード会社には手数料が入り、儲けにつながることになるからです。これこそ、フィー(手数料)ビジネスの長所であり、醍醐味なのです。