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意外に金利が高い銀行系クレジット

お金を貸す側の儲けのカラクリを中心に述べてきましたが、これからはお金を借りる側の立場に立って、その心がまえや得する裏ワザについて説明していきたいと思います。そのため、文中には第一部で記述した内容と重複する部分がありますが、あくまで「お金を借りる側」の観点から紹介しようとするものですから、その点はご了承ください。長引く不況で、収入は減る一方。給料日前になるとやりくりが苦しくなる人も多いことでしょう。そんなピンチのとき、私たちの味方になってくれるのが無担保ローンやキャッシング・サービスです。

しかし、このサービスはいまでは銀行や消費者金融、クレジットカード会社などいろいろなところが行っていて、あまりにもその数が多いため、どこで借りるのがいちばんお得なのか、よくわからないという声があります。こうした疑問に答えようと、銀行や消費者金融、クレジットカード会社など各社のローン、キャッシングについて、金利と支払利息を徹底的に比較してみましょう。10万円借りて翌日に返済する場合、金利の低い順に各金融機関を調べてみました。まず、もっとも低利なものは期間限定ですが、一定期間無利息のローンです。1週間無利息のNOLOAN」(シンキ)、「10日間無利息キャッシング」(ユアーズ)、10日間無利息キャッシングの「テンフリー」(アイク)、女性なら30日間無利息の「レディースローン」(レディースフタバ)があります。

なにしろ、一定の期間内なら金利は0%ですから、当然、支払う利息も0円で、金額的にはもっともお得といえます。2番目に低利なのは、銀行の無担保ローンで、金利は6~9%台が中心です。翌日返済すると、三井住友銀行のフリーローンの利息は17円、東京三菱銀行のフリーローンの利息は21円になる計算です。3番目は銀行系消費者金融です。モビットやアットローン、東京三菱キャッシュワンなど金利はほぼ横並び状態で15・0~18・0%、翌日返済すると利息は49円になります。また、クレジットカードでもたとえば信販系クレジットのジャックスカートなら、キャッシング金利が18・0%で、利息は同じく49円です。4番目は流通系クレジットカードで、イオンカードの金利は19・8~25・6%です。

セゾンカード(クレディセゾン)、赤いカード(丸井)の金利は24~27%で、翌日に返済すると、利息は65~73円になり、銀行の無担保ローンと比較すると利息は約4倍になります。5番目は消費者金融で、業界大手の武富士、アコム、アイフル、プロミスなどで借りると、金利は25・5~27・3%です。翌日に返済すると、利息は70~75円になります。もっとも金利が高いのが銀行系クレジットカードで、JCBや三井住友カード、UCカード、アメリカンエクスプレスの金利は27・8~29・2%と、出資法の上限金利ぎりぎりで、翌日返済でも76~80円の利息が付きます。

高度化する力-ド偽造技術

日本ではこれまでカード犯罪といえば、他人のカードを窃盗して不正使用するというケースが多かったのですが、ここ数年は偽造カードを使用した犯罪が急増しています。日本クレジット産業協会の調査によると、2002年のクレジットカード不正使用による被害額は291億4000万円(前年比5・7%増)にのぼりましたが、そのうち偽造カードによるものは165億円(同12・6%増)で約56・6%と、半分以上を占めています。

カード犯罪が行われるのは、貴金属店やディスカウント店などがもっとも多く、次いで家電量販店、ガソリンスタンドでの被害も巨額にのぼっています。一方、カード犯罪対策の進んだデパートでの被害は減少傾向にあります。ちなみに、増加傾向にある偽造カード被害は97年には12億円だったものが、ここ数年で10倍以上にふくれ上かっています。その大きな原因は、カード偽造技術の進歩にあるといわれています。

現在、カード偽造でもっとも多いのが「スキミング」と呼ばれる手口ですが、これはカードの磁気ストライプ部分の情報を読み取って、そこに書かれているカード番号などの重要情報をそのままそっくり別の力ードに書き込むというものです。スキミングは手のひらに入る程度のスキマーと呼ばれる機械に、カードの磁気部分を通すだけでデータをコピーできる手軽な方法ですが、実際にスキマーをつくり、読み取ったカード情報で偽造カードを作成します。

さらには、偽造カードで購入した商品をさばくなど、各段階で高度な技術、システムが必要であるため、スキミングの背景には大がかりな犯罪組織が存在しているといわれています。そして、犯罪者たちは、スキミングでつくった偽造カードで高額商品などを購入し、ヤミルートで現金化するという方法で利益をあげています。「カード情報を盗む者」「カードを偽造する者」「カードで買い回りをする者」の3者分業が完全になされているのが最近の傾向で、しかもこの犯罪は、香港、日本、英国といったように国際的な広がりもみせています。

業界の常識をくつがえしたクレディセゾンの経営戦略

カード会社の重要な収益源である「年会費収入」を最初から頭に入れず、業界の常識を破るかたちで年会費無料カードを発行し続けている会社があります。それがクレディセゾンです。いまでは、業界でJCB、三井住友カードに次ぐ第3位の地位になるまでに成長しています。日本のクレジットカードの歴史は、1960年に日本ダイナースクラブによって始まりましたが、クレディセゾンがカード事業に本格参入したのは1983年のことです。すでにJCB、住友クレジット、UC、DCといった銀行系カード各社、日本信販、オリコといった信販系カード各社が先発組として確固とした地位を築いていました。

そこに割って入るのですから、生半可なことでは成功しません。そこで考え出されたのが、年会費をいっさい取らない、年会費無料という戦略でした。クレディセゾンが銀行系カード会社に比べて有利だったのは、グループにデパート、スーパーを持ち、そこを拠点に会員募集ができたことでしょう。さらに、販促カードとして位置づければ、グループの売上増に貢献することで、年会費分の元は取れるという計算があったのは事実です。しかし、そうはいっても、現在の会員数1400万人が、たとえば、年会費1000円を払ったとすると年間140億円の収入となります。

当然、独自の経営戦略を打ち出さざるをえなくなってきました。それが徹底した合理主義経営、いわゆる「ケチケチ経営」を生み出したのです。その一環として「よけいな出費はしない」があります。コマーシャルを見るとそれがよくわかります。同社の派手なイメージからすると大量のコマーシャルを露出しているとみられがちですが、テレビの露出度は非常に少ないのです。宣伝費をかけないのにセゾンカードが好感度イメージを保ち、女性の支持を得ているのは効率的なパブリシティ戦略をとってきたからです。

1本数億円もするコマーシャルをつくるより、パブリシティをうまく活用するほうが効果的と考え、雑誌や新聞の記事にたびたび取り上げられるように努めたわけです。もう1つの例は、カード盗難保険でしょう。クレディセゾンは、すべてのカードに一律に保険をかけるのではなく、事故があった場合についてだけ個別に対応するようにしています。そのほうが安くあがるとの判断があるからです。さらに、提携カードの相手選びも独特です。提携するなら相乗効果のある相手と組むという戦略を持っているのです。そして、このような経営手法によってクレディセゾンは、JCBに匹敵する業績をあげるまでになったのです。

クレジットカード一枚の単価はいくら?

クレジットカードは、国内だけですでに2億4459万枚発行(2002年)されています。これだけ多くのカードが発行されるようになると、カード一枚のコストが問題になってきます。コストが高ければカード会社の収益を圧迫する要因になるからです。それでは、カード発行にいくらかかるのでしょうか。まず、カード一枚の原価はいくらぐらいかというと、発行枚数によって左右されますが、普通の磁気カードにカード情報を人力したものは1枚100円ほどです(なにも情報を入れていないのは70円ほどといわれています)。ICカードになるとさらに高く300~500円はします。今後、ICカードの発行が本格化すれば価格は劇的に下がるでしょうが、それでもICカードはコスト高です。

このため、カード各社が導入を渋るのも合点がいくというものです。とくに信販系、流通系カード会社はICカード導入については消極的です。最近、カード犯罪で狙われるのはゴールドカードが多く、それをたくさん発行している銀行系カード会社にとって、ICカード導入は犯罪防止の切り札と期待しているのですが、信販系、流通系ともゴールドカードの比率が低く、それほど切迫感がないのです。それ以上に、彼らにとっては導入経費のほうが気にかかります。なぜ、自分たちまで必要性の低いICカードを導入しなければならないのかわからないのです。こんなわけで、ICカードについては業界でも導入には温度差があるのですが、磁気カードにしろICカードにしろ、このカード原価には盗難保険料がかけられます。

カードを盗まれて不正に使用された場合に補償してくれる保険のことですが、これはカード会社が損害保険会社と契約しているもので、損保会社に1枚ごとに保険料を払っています。これも発行枚数によって左右されますが、1枚当たりだいたい50~70円ほどかかっていると思われます。また、新規会員にカードを送るのには「配達記録郵便」が使われますが、これにも1通290円かかっています。さらに、多色刷りのカード入会申込パンフレット、会員募集のための人件費が1日1万6000円ほどかかります。このほか、キャンペーン費用、テイクアウトスタンド費用、さらに提携カードの場合には、発行するごとに提携協力費として提携先企業に手数料を払わなければなりません。

このように、1枚のカードを発行するためにはたくさんの費用がかかっています。私の試算では、年会費1250円の3分の2以上は経費で消えてしまうことになります。そこでカード各社は、単に発行するだけでなく、そのカードを日常的に使ってもらおうと涙ぐましい努力を続けています。というのも、カードは使われてはじめて生きてくるものだからです。1回の利用ごとに、売上高の3~7%の加盟店手数料がカード会社に入ってきます。ですから、カードを使ってもらえるほどカード会社には手数料が入り、儲けにつながることになるからです。これこそ、フィー(手数料)ビジネスの長所であり、醍醐味なのです。

カード会社はどうやって儲けているのか?

クレジットカードは、現金を持っていなくても買い物ができるので、非常に便利なものです。日本のクレジットカードの発行枚数は、2002年で2億4459万枚。人口の約2倍も発行されています。サラリーマンやOLなら、1人平均3枚から4枚持っているのは当たり前の時代になりました。そして、利用できる場所も多くなっています。デパートやスーパーはもちろん、最近は携帯電話や電気料金の支払いまでカードでできます。ますます、日常生活になくてはならない決済手段になっているのです。

けれども、このカード社会を支えるクレジットカード会社のほうは、どうやって儲けているのでしょうか。それが気になります。儲けのしくみを考える前に、まずカードのしくみを簡単に説明しておきましょう。クレジットカードは、カード会社、加盟店、利用者(会員)の3者がクレジット(信用・信頼)の名の通り、互いに「信用」を基盤にして、取引を成立させています。カード会社は販売店と加盟店契約、販売店は会員と売買契約、会員はカード会社と会員契約をそれぞれ結び、取引を行います。これを「三者間契約」と呼んでいます。

まず、カード会社は申込者のうち、「信用」があると判断した人とだけ会員契約を結びます。その会員がカードを使って加盟店で買い物をしますと、カード会社は加盟店に立替払いします。カード会員が、その買い物代金を「引落日」までに銀行口座に用意することが前提となります。加盟店は「信用」の証として、会員のカード利用代金のうち3~7%程度を手数料(加盟店手数料)でカード会社に支払います。

加盟店にとっては、現金決済ではなくカード決済だと、手数料分だけ儲けは少なくなります。が、「いま、現金がないから買うのはやめよう」というお客の「売り逃し」を減らせますから、結果的に売上げが増えることになります(カードを持っていると、つい財布のヒモが緩むため、その増収メリットは手数料分を差し引いても余りある大きさです)。また、現金客よりもカード客のほうが購買単価が高くなる傾向にあり、その点も加盟店がカードを歓迎する理由になっています。

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